賃貸物件の退去で違約金?損をしないためのポイントを解説!

引っ越しをする時、次に住む部屋を決めなければならないのはもちろんですが、現在住んでいる部屋の退去手続きも行う必要があります。

しかしこの時、契約条件をよく確認していなかったがために、退去時に違約金がかかってしまうといったこともあります。

そこで今回は、違約金が発生する場合の条件や退去前にチェックすべきポイント等について詳しく解説します。

引っ越しを決めてしまう前に、退去に関する事項をしっかり確認してください。

退去を決める前に確認すべきこと

ほとんどの賃貸借契約書には、退去する1ヶ月前までに借主が貸主に対して退去することを通知しなければならないといった事項が記載されています。

そのため、賃貸借契約において、仮に退去の準備が全て整っていたとしても、「今日限りで退去します、契約終了してください!」というのは、認められません。

退去を決めてしまう前に、自分の賃貸借契約書を確認して、退去する時の条件を確認する必要があります。まずは、賃貸借契約書のチェックするべきポイントを4つご紹介します。

  1. 契約形態
  2. 契約期間
  3. 契約終了の通知に関する条項
  4. 違約金に関する条項

1. 契約形態

不動産の賃貸借契約には2つの形態があることをご存じでしょうか。その2つとは「普通借家契約」と「定期借家契約」です。

普通借家契約

ほとんどの賃貸借契約に採用されている一般的な形態です。1年以上の賃貸借契約が定められており、契約の更新が可能な契約方法です。借主・貸主のいずれかが解約の申し出をしない限り、同条件で更新され続けていきます。

定期借家契約の場合

定期借家契約とは、賃貸借期間を終えると契約が終了する形態です。普通借家契約のように自動更新はされません。もし賃貸借期間の後も引き続き住みたい場合は貸主の同意の下、再契約ということになります。

普通借家契約と違って原則契約期間の途中で解約することが出来ないので注意が必要です。

2. 契約期間

契約期間の確認も必須です。後述する条件によって、「借り始めてどれくらい経過しているか」と「契約期間満了までどれくらい残っているか」が重要になります。

3. 契約終了の通知に関する条項

契約解除に関する条項は契約書内において2ヵ所に記載されていることが多くあります。

①賃貸借期間に関する条項の中

「前項に定める期間の満了と同時に本契約を終了させようとするときは、相手方に対し貸主は○ヶ月前までに、借主は●ヶ月前までにその旨を書面により通知しなければならない」といった条項があります。

②中途解約に関する条項の中

「借主が第○条に定める賃貸借期間内に本契約の解約をしようとするときは、貸主に対し、契約終了日の●ヶ月前までに書面により通知しなければならない」といった条項があります。

期間満了で終了する内容か、期間の途中で終了する内容かの違いです。

事前に通知が必要な期間は共通の場合が多いですが、必ず同じとは限りません。それぞれの場合でいつまでに通知が必要なのか、しっかり確認しておきましょう。

4. 違約金に関する条項

違約金の相場は賃料1ヶ月分ですが、当然契約内容によって違ってきます。金銭の支払いになるので、必ず契約書に記載があります。

逆に言えば、契約書に記載がなければ払う必要はないということです。違約金の支払いが必要になるケースは主に以下の2つです。ご自身の契約書に記載があるか、確認してみてください。

  • 前述の契約終了の事前通知をすべき期間を守らなかったとき
  • 1年未満の超短期で契約終了するとき

ここまでで、契約期間中の退去であっても違約金が発生するケースを事前に把握して置けば、違約金が発生しないようにできると理解していただけたと思います。

ですが、仕事の都合による急な転勤や、生活状況の変化によって、仕方なく違約金を払わなければならない場合もあります。

そういった場合に違約金を支払わずに済ませることはできないのでしょうか?

やむを得ない事情があったとしても、契約書に書かれている違約金を支払うケースに該当する場合、原則として違約金を支払わなければなりません。

しかし、丁寧に事情を説明すれば、減額してくれる可能性もあります。

まずは貸主や、手続の窓口になる不動産会社の担当者に相談してみてください。

自分に非がない途中解約での違約金について

次は、自分自身に非がなく、途中解約になった場合の違約金の有無についてご紹介します。

例えば隣や上下階の住民の生活音がうるさい場合や、貸主の都合で退去するように言われた場合など、借りている側には悪いところはなく退去せざるをえなくなることもあるでしょう。

このような場合でも、違約金は払わなければならないのでしょうか。2つのパターンに分けてご紹介します。

第三者を原因とする退去の場合

近隣の住民による騒音の事例がこれにあたります。貸主でも借主でもない第三者が退去の原因になっている場合です。

一概には言えませんが、契約書に違約金の規定が書かれていれば、このケースにおいては違約金を支払わなければならないケースが多いでしょう。

第三者が原因とは言え、賃貸借契約の当事者である貸主と借主の関係で考えたとき、あくまで退去を決めたのは借主となります。

では、騒音などの第三者が原因で退去しようとする時にはどうすればいいのでしょうか。

まずは、貸主や管理会社に相談しましょう。貸主は家賃を受け取っているため、その対価として一定の良好な環境を提供しなければならない法的義務が課せられます。

そのため、通常の生活を営む上で発生しえないような騒音や、平穏な生活を阻害するような事実が存在する場合にはしっかり苦情として相談し、解決を図ってもらいましょう。

相談しているのに貸主や管理会社が対応してくれず、問題が解決しないのであれば退去も仕方ないでしょう。

そのような状況であれば、違約金を払わなくていいように交渉したり、損害賠償請求という形で管理会社に負担してもらうことが出来る可能性が生まれます。

貸主の都合で退去しなければならない場合

例えば、「親族を入居させたいので退去してください」といったことや、「取り壊すことになった」といった事情で、契約期間中にもかかわらず急に退去しなければならないといった事情も考えられます。

これらの事例のように、貸主の都合で退去する場合は、約束を違えているのは貸主側なので違約金を払う必要はありません。

しかし借主側からすると、違約金の支払いはなくとも、まだまだ借り続ける予定だったのに急遽引越すことになり、思わぬ出費を強いられることになります。

どこまで貸主が対応してくれるかは分かりませんが、貸主の都合で発生する費用なので、しっかりと引越費用の補填の交渉をすべきです。

違約金以外に発生する可能性がある退去時の費用

退去時には違約金以外にも、予想外の支払いが必要になる可能性があります。

次は、違約金以外の退去時の費用を知るため、契約書の内容で確認しておくべき事項について解説します。

原状回復費

お部屋の状態を入居時の状態に戻すことが原状回復です。

経年による自然劣化や、通常の使用範囲による損耗(例えば家具の置き跡など)は対象外ですが、物を落として床をへこませてしまったりなど、故意や過失、管理の義務を怠った末に生じた傷や汚れについては原状回復費として借主に請求されます。

原状回復費は、入居時に敷金を払っていればそこから充当されますが、敷金よりも原状回復費の方が高くなった場合は、不足分を支払うことになります。

原状回復費を抑えたいのであれば、日ごろから綺麗にしておくことがとても重要です。

また、原状回復費用の負担は、基準が曖昧なため、貸主と借主の間でトラブルになることがよくあります。

トラブルにならないためにも、以下の記事を参考に原状回復について事前に理解しておきましょう。

賃貸物件の原状回復を徹底解説!費用やトラブルを回避するポイント

クリーニング費、鍵交換費等

次の入居者を迎えるにあたっての準備として、ハウスクリーニングや鍵の取り換えをすることは一般的ですが、その費用を借主負担とし、退去時に請求する旨が契約書で定められていることがあります。

多くの場合は、次の入居者が負担する費用ですが、退去時に支払う旨を契約書に記載している場合もあるので、確認するようにしてください。

【最後に】契約時に退去時の契約条件もしっかり確認しておこう

ここまで、違約金に関して確認すべきポイントや違約金以外で退去時に発生する費用についてご紹介してきました。

ですが、退去時のポイントを退去する直前に確認したところで、契約書の内容でほとんど決まるため、後から条件を変更することは難しいです。

入居物件を探しているときには、入居時に発生する初期費用や毎月の賃料が気になりがちですが、退去の時までしっかりと見据えることが重要です。

住む場所を定期的に変えたい方、仕事で急な転勤の可能性がある方など、引越によって退去する理由は人それぞれですが、契約時に退去の理由や時期を想定して、退去に関するルールもしっかりと確認しておくようにしましょう。

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