入居時や退去時にハウスクリーニング代を請求されたけど、内容や相場がわからないという声をよく聞きます。
最近では、ハウスクリーニングの請求をめぐり、トラブルも発生しています。
そこで今回は、賃貸物件のハウスクリーニングの内容と費用相場などの疑問について解説します。
これからお部屋探しをする方や引っ越しする方は、本記事を参考にハウスクリーニングについて確認しましょう。
また、自分でハウスクリーニングを手配したい方や、費用を抑えたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸のハウスクリーニングについて
賃貸物件のハウスクリーニングの作業内容や費用の相場は、物件や清掃業者によって違いがあります。
不動産会社に請求され、内容を知らずに支払っている方もいると思います。
まずは、ハウスクリーニングの作業内容や費用について説明します。費用や作業内容について覚えておきましょう。
ハウスクリーニングの作業内容
賃貸のハウスクリーニングの主な作業内容は、下記のとおりです。
- キッチン(換気扇、レンジフードを含む)の掃除
- バス(洗面、脱衣所)やトイレなど、水回りの掃除
- 窓やサッシの掃除
- ベランダやバルコニーの掃除
- リビングやダイニング、寝室、廊下など、各部屋の掃除
- エアコンの掃除
水回りは、前の入居者が使用した跡が残りやすく、特に換気扇やレンジフードの油汚れ、トイレの便器、お風呂の排水口周りや水垢は、なかなか汚れが落ちません。
水回りの掃除は、自分で行うよりも業者に依頼した方が綺麗になり、水回りパックのようにプラン料金を設けている業者もあるので、依頼することをオススメします。
リビングやダイニング、寝室、廊下など、各部屋の掃除はある程度自分で行えますが、汚れが取り切れていない場合もあります。
特に、大きな家具を置いている箇所は、見えない汚れに気づきにくく、ハウスクリーニングでは、このような見えない汚れや細かい汚れもきちんと落とします。
ベランダやバルコニー、窓周りは、砂ぼこりが溜まりやすいので、かなり汚れが目立ちます。さらに、目に付きにくい箇所なので入居してから掃除していない方も多くいます。
汚れが蓄積していると窓が黒ずんで、汚れを落としにくくなりますが、ハウスクリーニングでは専用の洗剤を使って掃除するので綺麗になります。
そして、エアコンもプロでないと掃除しにくい箇所です。
フィルターだけではなく、部品を分解して隅々まで清掃するため、臭いが残らず綺麗になります。
居室は掃除されていても、エアコンのスイッチを入れるとほこり臭いということもよくあるので、エアコン掃除もハウスクリーニングに任せることをオススメします。
特にエアコン掃除は「ユアマイスター
ハウスクリーニングの費用と相場
ハウスクリーニングの費用は、居室の広さによって変わります。
費用の相場は下記の通りです。広さがあればあるほど金額が高くなります。
ワンルーム・1K | 20,000〜50,000円 |
1DK・1LDK | 40,000~80,000円 |
2DK・2LDK | 30,000~70,000円 |
3DK・3LDK | 60,000~200,000円 |
4DK・4LDK | 70,000円~ |
上記の費用は、全ての作業箇所を行った場合の費用です。業者によっては部分的に清掃を依頼することも可能です。
汚れが落としにくい場所だけハウスクリーニングを活用するなど、予算にあわせて依頼するのも良いでしょう。
掃除を依頼する場所によっても料金が異なるので、参考までに部分クリーニングの費用相場をご紹介します。以下の表を参考にしてください。
レンジフード | 約20,000円 |
浴室 | 約17,000円 |
エアコン | 約12,000円 |
フローリング | 約13,000円 |
窓周り | 約11,000円 |
また、料金は作業をする時期によって安くなることがあります。
例えば、年始の時期、4月、9月〜11月など、引っ越し需要が少ない時期は閑散期になり、この時期の料金は同じ作業でも費用を安く抑えることができます。
賃貸のハウスクリーニングは誰が負担する?
ハウスクリーニング費用は貸主が負担する
入居時や退去時のハウスクリーニングの費用負担は、国土交通省で定められた原状回復ガイドラインに沿って負担者が決まります。
借主が退去時に自身で掃除を行った場合は、原則的に貸主(大家さん)が負担することになります。
しかし、掃除の範囲が明確に定められていないので、原状回復としてハウスクリーニング費用を請求されるトラブルが発生しています。
借主がハウスクリーニング費用を負担する場合は、落ちないしみや居室のカビなど、汚れが取れず原状回復できない状態の時だけです。
また、借主が費用を負担したとしても敷金から差し引かれるのが一般的です。別途、ハウスクリーニング代を請求されることはないと考えて良いでしょう。
借主がハウスクリーニング費用を負担する場合とは?
借主がハウスクリーニング費用を負担する場合は、原状回復費用が敷金以上にかかる場合です。
また、その他にも「クリーニング特約がある物件」では、借主がハウスクリーニング費用を負担することになります。
特に、敷金礼金が0円の物件は、このクリーニング特約が賃貸借契約書に記載されていることがよくあり、借主がハウスクリーニング費用を負担するになります。
クリーニング特約とは
クリーニング特約とは、賃貸借契約により借主がハウスクリーニング費用を支払うことが認められる特約です。この場合、ハウスクリーニング代は借主が負担することになります。
最近では、このクリーニング特約がついている物件が多くなりました。
一般的には、貸主が敷金を使ってハウスクリーニングを行います。そのため、クリーニング特約を拒否する借主もいます。
ですが、クリーニング特約を拒否する場合、貸主は入居を認めません。
ハウスクリーニング費用を負担したくない方は、クリーニング特約のない物件を探すか、敷金を支払う物件を探すことになります。
敷金礼金0円の物件は注意が必要
本来、貸主は借主から負担してもらっている敷金で原状回復工事やハウスクリーニングを行います。
そのため、敷金がない物件は退去時にハウスクリーニング代を請求されることが多くあります。
その場合、賃貸借契約書に「ハウスクリーニング費用は借主が負担する」と記載があります。退去時のトラブルにならないように必ず事前に確認してから契約しましょう。
ハウスクリーニング費用を安く抑える方法
入居時や退去時は、引っ越し費用などでたくさんお金がかかるため、ハウスクリーニング費用を抑えたいと考える方も多くいると思います。
そこで次に、ハウスクリーニング費用を抑える6つの方法をご紹介します。
- 普段から掃除や換気をこまめに行う
- 退去前にきちんと掃除する
- 荷物や家具の移動を済ませてから依頼する
- 閑散期を狙って依頼する
- キャンペーンやセットプランを活用する
- 見積もりを2カ所以上で取って比較する
普段から掃除や換気をこまめに行う
当たり前ですが、入居中に普段から掃除をこまめにすることが大切です。
普段から掃除をせずに汚れを蓄積すると、汚れが取れない状態になり、汚れがひどい場合はハウスクリーニング費用がかさみます。
特にレンジフードや水回りのカビは、蓄積すると自分で汚れを落とすことが難しくなります。
掃除の習慣はもちろん、部屋をこまめに換気することで、落とせない汚れを防ぐことができます。
普段からお部屋を掃除して、退去時に費用を掛けずに済むようにしましょう。
退去前にきちんと掃除する
退去前の掃除はしっかりと行いましょう。
退去前の掃除の状態で、ハウスクリーニング費用がいくらかかるか判断されます。
入居中は大きな設置物によって見えなかった汚れなどにも注意して、退去前に掃除をするようにしてください。
また、退去前に汚れの状態が悪いとハウスクリーニング費用がかかり、敷金が戻らないことがあります。
掃除をしないことで費用がかかり後悔しないようにしましょう。
荷物や家具の移動を済ませてから依頼する
家具や大きな荷物を設置している時は、目に見えない汚れに気づかないことがあります。
冷蔵庫の裏や洗濯機の設置バンの隙間は、手が届きにくく、ほこりが溜まっています。
一度、大きな荷物や家具を移動させて、自分で落とせる汚れを掃除してからハウスクリーニングを依頼しましょう。
目立つ汚れが少ないと、掃除する箇所も減って費用が安くなります。
閑散期を狙って依頼する
引っ越しシーズンが終わる4月や9月〜11月は閑散期になり、ハウスクリーニングの費用も安く設定されています。
そのため、この時期に合わせてハウスクリーニングを依頼する方もいます。業者によっては値段交渉に応じてくれることもあります。
閑散期に合わせて引っ越しできないという方は、早割を活用するなど工夫してみてください。
キャンペーンやセットプランを活用する
業者によっては、水回りパックといったセットプランで費用を安く提供している場合があります。
ハウスクリーニングは、複数の箇所で依頼をすると割引が適用されたり、清掃箇所によってキャンペーンを行っている業者もあります。
お得な情報を活用して利用するのも良いでしょう。
最近は、ハウスクリーニング業者が増えてきているので、特別価格で集客をしていることもあります。ぜひ活用してみてください。
見積もりを2カ所以上で取って比較する
ハウスクリーニング費用は、同じ清掃内容でも業者によって1万円以上金額が違うことがあります。
また、清掃業者によっては相場より高く請求する業者もあります。
2カ所以上の業者から必ず見積もりを取り、見積もり金額と作業内容を比較して、内訳の説明ができるなど信頼できる業者を選びましょう。
ハウスクリーニングを依頼する際の注意点
賃貸のハウスクリーニングは、自分で業者を探して依頼することも可能です。
入居前に特定の場所を綺麗してから新生活を迎えたい方や入居中にハウスクリーニングを依頼したい方もいます。
そこで次に、自分で賃貸のハウスクリーニングを依頼する際の3つの注意点をご紹介します。
- 管理会社や大谷さんに確認する
- 清掃業者が損害保険に加入しているか確認する
- 作業後はクリーニングの仕上がりに不足がないか確認する
管理会社や大家さんに確認する
掃除する場所によっては、管理会社や大家さんに許可が必要な箇所があります。
例えば、お部屋のエアコンや給湯器は貸主の所有物です。
エアコンのクリーニングは、部品を分解して掃除をするので、事前に貸主に相談しましょう。
万が一、エアコンが稼働しなかったり、部品の一部が破損するようなことがあれば、弁償しなければなりません。
また、入居時に異臭がしたり、汚れがある場合は、貸主側が負担する場合もあります。
作業を依頼する前には、必ず管理会社や大家さんに相談しましょう。
清掃業者が損害保険に加入しているか確認する
清掃業者が損害保険に加入しているか事前に確認しましょう。
清掃作業中に自分の家財や居室の設備を壊されてしまった場合には、業者側の損害保険で保障されます。
しかし、清掃業者によっては損害保険に加入していない業者もあります。
費用が安いからと言って、損害保険に加入していない業者に依頼するのはかなり危険です。清掃業者が保険に加入しているかはホームページで確認が可能です。
作業後はクリーニングの仕上がりに不足がないか確認する
ハウスクリーニングの作業終了後は、必ず立ち会って仕上がり具合をチェックしましょう。
汚れが取り切れていないか、お部屋の設備が壊れていないかも確認する必要があります。
エアコンクリーニングの場合は、エアコンや換気扇の動作確認を行う必要があります。
設備器具が正常に動くかを確認してから、終了するようにしましょう。
【最後に】原則的に貸主負担であることを認識する
今回は、賃貸物件のハウスクリーニングについて解説しました。
ハウスクリーニングの作業内容や費用の相場、ハウスクリーニング費用を安く抑える方法や、業者に依頼する際の注意点もご紹介しました。
ですが、原則的にハウスクリーニング費用は貸主の負担になります。
クリーニング特約がある物件以外は、費用を負担する必要がないので、請求された場合は契約書を確認するようにしてください。
また、クリーニング特約は敷金礼金が0円の物件でよくあります。契約前に必ず契約内容を確認して、トラブルを事前に防ぎましょう。