人生で初めて賃貸物件(他人が住んでた家)に住む人にとって、入居前に必要な準備はイメージしにくいでしょう。
入居準備や手続きは、「1ヶ月前」「1〜2週間前」「前日」「当日」でやることや、やっておいたほうがよいことが異なります。
そこで本記事では、賃貸の入居前にやること、必要な手続きの順番や準備期間について解説しています。
入居当日に困らないためにも、入居する物件が決まったら順次進めていきましょう。
賃貸の入居前にやることリスト20選
賃貸の入居前にやること、やっておいたほうがよいことはたくさんあります。
まずは、賃貸の入居前に新しいお部屋でやるべきこと20項目を分野に分けてわかりやすく解説します。
- 壁・床
- キッチン
- お風呂
- トイレ
- 洗面台
- 洗濯機
- 害虫
- 部屋全体
たくさんあるので、わかりやすく簡潔に説明しています。さっそく見ていきましょう。
壁・床の対策(①〜②)
①拭き掃除
家具や家電を運び入れる前に、まずは拭き掃除をしましょう。
基本的に入居前は新居のクリーニングが施されていますが、1日掃除しないだけでも見えないホコリは発生します。これは新築であっても同様です。
床だけではなく、壁も一緒に拭き掃除することをおすすめします。
②保護マットの設置
冷蔵庫やベッドなどの大型家具や家電を運び入れる前に、保護マットを設置しましょう。
大型の家具家電は重さがあり、簡単に床が凹んでしまいます。
賃貸物件では退去時に原状回復義務が発生するため、事前に保護マットを設置し、床に傷や凹みが入ることを防ぎましょう。
キッチンの対策(③〜⑤)
③マスキングテープで防カビ対策
シンク周り、コンロとキッチンの境目にはマスキングテープを貼り、汚れやカビを防ぎましょう。
キッチン周りは油で汚れやすいので、マスキングテープは必須です。これを貼ることで掃除も簡単になります。
100均などで販売されているので、事前に準備しておきましょう。
④換気扇や排気口のフィルター設置
キッチンの換気扇やガスコンロの排気口には、専用のフィルターを貼っておきましょう。
換気扇や排気口はホコリが付着したり油でベトベトになってしまいがちです。
この汚れを軽減するために必要なのがフィルターです。
汚れたら張り替えるだけなので、手軽に清潔なキッチンを保つことができます。
⑤シンクのコーティング
水垢汚れやカビが発生する前にシンクにコーティングをしておきましょう。
コーティング剤を塗ることで、水を弾きやすくし、油やカビ、水垢などの汚れが付きにくくなります。
ただし、新築や新品の場合はコーティングが施されていることもあるので、事前に確認してください。
お風呂の対策(⑥〜⑨)
⑥防カビ剤を散布する
お風呂には防カビ剤を散布して、カビの発生を抑えましょう。
スプレータイプや煙を発生させるタイプなど、いくつかの種類があり、手軽にカビを防ぐことができます。
ただし、商品によって持続期間は異なります。入居後も定期的に使用し、カビの発生しにくいお風呂にしましょう。
⑦鏡に曇り止めを使う
お風呂の鏡には曇り止めを使用しましょう。
液剤タイプ、スプレータイプ、フィルムタイプの3種類があるので、使い勝手が良いものを選んでください。
曇り止めを使用しないと、水垢や石鹸カスなどがついて曇りやすくなります。しっかりと曇り対策をすることで、掃除の手間がなくなります。
⑧排水口にネット・ゴミ受け設置
排水口にはネットやゴミ受けを設置しましょう。汚れたらそのまま捨てることができます。
お風呂の排水口には、髪の毛や小さなゴミが流れるため掃除が大変です。
ネットや受け取り皿を設置することで、それらが排水管に流れることを防ぎ、ヌメリや悪臭を防ぐことができます。
⑨浴槽コーティング
入居前に浴槽のコーティングをしておきましょう。
浴槽掃除の仕方によっては、表面を傷つけてしまい、その傷が多く深くなることで汚れがたまりやすくなります。
あらかじめ保護コーティングを施すことで、傷や湯垢などの汚れ、カビがつきにくくなり、浴槽表面を保護してくれます。
トイレの対策(⑩〜⑪)
⑩便器と床の隙間を埋める
便器と床の隙間を埋めて臭い汚れを防ぎましょう。
便器と床にはわずかな隙間があり、そこに水や尿、ホコリなどがたまりやすく、それらが臭いの原因になります。
マスキングテープや隙間ジェルなどで隙間をコーティングすることで、臭い汚れを防ぐ上に掃除も簡単になります。
⑪換気扇にフィルターを設置する
トイレの換気扇にもフィルターを設置しましょう。トイレの換気扇は、回しっぱなしの方も少なくありません。
換気扇を回すことで、外に空気を排出しながホコリも排出するため、思っている以上に汚れが溜まります。
フィルターを設置することで、手間いらずの換気扇になるでしょう。
洗面台の対策(⑫〜⑭)
⑫洗面台のコーティング
洗面台もコーティングを忘れずに施しましょう。気が付いたら水垢や黒ずみで汚れているのが洗面台です。
洗面台は1日に何度も水を使う場所のため、落としてもすぐに水垢ができてしまいます。
洗面台にコーティング剤を塗ることで、表面の撥水性を高め、水や汚れを弾くことができます。
⑬鏡の曇り止め
洗面台の鏡にも曇り止めをしましょう。
洗面台では、お湯を使用する頻度が高く、その蒸気がこもって鏡に付着することで、鏡が曇ります。
蒸気による曇りを放置して置くと水垢曇りに変化し、掃除が大変になるので、入居前に曇り止めでケアしておくと良いでしょう。
⑭キャスター付き洗濯機置き台の設置
洗濯機を運び入れる前に、キャスター付きの洗濯機置き台を設置しましょう。
洗濯機は一度設置してしまうとなかなか移動させることが難しいです。
キャスター付きの洗濯機台を設置することで、後ろに落としてしまった靴下などの小物を拾えたり、掃除することが可能になります。
害虫の対策(⑮〜⑯)
⑮エアコンホースに防虫キャップを取り付ける
エアコンの排水ホースの先にメッシュ状の防虫キャップを取り付けましょう。
ホースを通じて虫が室内に侵入するリスクを未然に防ぐことができます。
ただし、ホースから流れ出てくるゴミなどが詰まりやすくなるという性質もあるので、メッシュが荒いものを選ぶようにしてください。
⑯駆除剤で害虫退治
駆除剤で害虫の退治と予防をしておきましょう。
ゴキブリを筆頭に、ダニやノミ、ムカデなどの害虫を発見した際に駆除ができ、虫が来ないように予防することが可能です。
特に、煙や霧が部屋の隅々まで行き渡る燻煙材タイプは、家具家電のない入居前に適しています。
部屋全体の対策(⑰〜⑳)
⑰写真・動画撮影&チェック
入居前の部屋(各所)の状態を写真や動画で撮影し、チェックしておきましょう。
退去時には原状回復が必要になります。入居前の傷や穴、汚れなど、自分がつけていないという証拠を残しておくことは重要です。
写真や動画を撮る際は、細部にわたってチェックすることをオススメします。
⑱家具・家電のシール剥がし
新しく購入した家具・家電のシールは剥がしておきましょう。長期間貼ったままのシールは、粘着剤が固まり非常に取りにくくなります。
ただし、要不要をしっかりと見極めて剥がすようにしてください。
電子レンジなどワット数や使用時の注意などが記載されているものは必要シールです。
⑲細かな隙間を埋める
サッシの溝や床と壁の境目、ふすまなど、気になる隙間は入居前に埋めておきましょう。
特に床と壁の境目は、家具家電を運び入れると隙間を埋めることが難しくなります。
あらかじめマスキングテープでカバーすることで、ホコリや汚れが溜まりにくくなり、掃除が楽になるでしょう。
⑳各部屋の掃除
入居前に各部屋をしっかり掃除しましょう。
どんなに密閉された部屋でも、少し時間が経つだけでホコリは溜まります。
また、ドアや窓の開閉がないことが原因で、部屋に湿気がこもりカビ臭くなっていることもあります。
だからこそ徹底的に掃除し、快適な新生活をスタートさせましょう。
賃貸の入居前のやることはたくさんありますが、一つ一つを見ていくと難しいものはありません。
一手間かけるだけで、部屋を清潔でキレイに保てるだけでなく、掃除も簡単になるので、準備しておくことをオススメします。
賃貸の入居前に必要な手続きの順番と準備期間
では次に、賃貸の入居前に必要な手続きの順番と準備期間を時系列でみていきましょう。
賃貸の入居前に必要な手続きや準備期間は、以下のとおりです。
- 1ヶ月前は主に入居に関わる手配
- 1〜2週間前は様々な手続きを行う
- 前日は荷造りと家電を運ぶための準備
- 当日はライフラインの開通と荷ほどき
1ヶ月前は主に入居に関わる手配
入居1ヶ月前から準備しておきたい手続きは、以下のとおりです。
- 引越し業者の見積もりと予約
- インターネット回線の契約
- 不用品・粗大ゴミの処分
引越し業者の見積もりと予約
入居日が決まったら、引越し業者に見積もりをお願いし、予約しておきましょう。
直前に問い合わせても、引越し業者に空きがないという場合もあるので、入居日が決まり次第、すぐに引越し業者に連絡することをオススメします。
インターネット回線の契約
インターネット回線を申し込みましょう。
インターネット回線を契約してから実際に利用できるまでには2〜3週間ほどかかります。
入居後すぐにインターネットを利用したいのであれば、入居の1ヶ月前には申し込む必要があります。
不用品・粗大ゴミの処理
不用品や粗大ゴミの処分は、一般のゴミと違い手間と時間がかるため、1ヶ月前から進めておきましょう。
不用品や粗大ゴミは、各自治体へ問い合わせたり、リサイクルショップや買取サービスなどを利用して処分することができます。
1〜2週間前は様々な手続きを行う
入居1〜2週間前は、役所関係やライフラインの手続きが多数あります。荷造りと同時に以下の手続きを進めていきましょう。
- 電気・ガス・水道の手続き
- 郵便物の転送手続き
- 住民票の移動手続き
- 印鑑登録廃止の手続き
- 国民健康保険の手続き
- 固定電話の変更手続き
- 転校手続き
電気・ガス・水道の手続き
ライフラインの手続きは遅くても2週間前には進めましょう。
開通の手続き方法は、契約会社によって異なるためWEBサイトなどで事前に確認してください。
なお、ガスだけは開通時に立ち会う必要があるので、入居当日に立ち会いできるようガス会社と調整しましょう。
郵便物の転送手続き
自分宛に届く郵便物を自動的に新居に転送してもらえるよう、郵便局に「転送届」を出しましょう。
手続きには、運転免許証などの現住所(旧居の住所)がわかる本人確認書類が必要です。
なお、転送サービス期限は1年間、手続きが有効になるまで1週間ほどかかります。
住民票の移動手続き
住民票の移動手続きをしましょう。
旧居の役所に「転出届」を提出し「転出証明書」を受け取り、新居の役所に「転入届」を提出してください。
転入届の提出期限は、入居当日から14日以内です。
なお、同じ自治体内で引っ越す場合は「転居届」のみで「転出届」は必要ありません。
住民票の移動手続きについて、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
印鑑登録廃止の手続き
旧居の役所に実印の印鑑登録がある方は、登録を廃止する手続きが必要です。
ただし、自治体によっては、転出届を提出すると転出日で自動的に印鑑登録も廃止となるケースもあります。
転出日に印鑑登録も自動的に引越しできるのかどうか、各自治体に確認しておくと良いでしょう。
国民健康保険の手続き
国民健康保険(国保)に加入している方は、保険証を書き換える必要があります。
- 異なる自治体へ引越す場合:国民健康保険の「資格喪失」の手続き
- 同じ自治体内で引越す場合:国民保険の「住所変更」の手続き
引越しパターンによって手続き方法が変わってくるので注意が必要です。
固定電話の変更手続き
固定電話をお持ちの方は、変更手続きをしましょう。
固定電話の引越しは「異なる自治体」または「同じ自治体内」により、工事の有無や必要な手続き、電話番号の取り扱いが異なります。
入居当日から使用したい場合は、入居日が決まり次第、速やかに手続きを済ませておくのが無難でしょう。
転校手続き
学校が変わる場合は、転校手続きが必要です。
公立の場合、在学中の学校へ転向する旨を伝え、「在学証明書」「教科書給付証明書」を発行してもらいましょう。
私立の場合、「希望の学校が転校を受け付けているか」の確認を、学校や都道府県私学協会の窓口に問い合わせてください。
前日は荷造りと家電を運ぶための準備
前日は、引越し作業がスムーズに行えるように、以下の準備をしておきましょう。
- 荷造りを終わらせる
- 冷蔵庫を空にする
- 冷蔵庫と洗濯機の水抜き
- 石油ストーブの灯油抜き
- 電化製品のケーブルをまとめる
荷造りを終わらせる
入居前日までには荷造りを終わらせておきましょう。
ただし、当日に使う日用品や着替え、洗面道具など、最低限必要なものは一つのダンボールやバッグにまとめることをオススメします。
また、引越し業者に荷物を引き渡す前にダンボールの個数も確認しておきましょう。万が一、荷物の積み残しや紛失が発生してもすぐに対応することができます。
冷蔵庫を空にする
冷蔵庫内の中身は必ず空にしましょう。
運搬中に中身が動いて庫内を傷つけたり、液体などがこぼれて故障の原因になる可能性があります。
食材が残っている場合は、クーラーボックスへ保管することも可能です。
ただし、長距離引越しの場合は腐らせてしまう恐れがあるので、常温保存が効かない食材は処分した方が良いでしょう。
冷蔵庫と洗濯機の水抜き
冷蔵庫と洗濯機の水抜きをしておきましょう。
水が残ったままだと、大切な荷物が濡れたり、故障などトラブルの原因にもなります。
冷蔵庫、洗濯機共に、製品によって工程は異なります。事前に取扱説明書をよく確認し、慎重に行ってください。
なお、水抜きは引越し業者が対応してくれる場合もあります。漏水が心配な方は相談してみてください。
石油ストーブの灯油抜き
石油ストーブを使用している場合は、残っている灯油を抜き取りましょう。ポリタンクも同様です。
引越し業者は灯油が残ったストーブなどの危険物を運搬することができません。
いずれも、引っ越し前に使い切ってしまうのが理想ですが、それが難しい場合はすべての灯油を抜き取り、ガソリンスタンドなどに引き取りをお願いしましょう。
電化製品のケーブルをまとめる
テレビやパソコン、冷蔵庫や洗濯機など、家電製品のケーブルをまとめておきましょう。
どの商品のケーブルか分かるように、以下のようにケーブルをまとめます。
- 輪ゴムや結束バンドでまとめ、本体の家電に養生テープなどで貼り付ける
- まとめたケーブルを袋に入れて家電の名前を書く
どの家電のケーブルかすぐに分かり、新居での配線が楽になります。
当日はライフラインの開通と荷ほどき
入居当日に行う主な作業は、以下のとおりです。
- 電気・ガス・水道の開通・開栓の立会い
- 荷物の搬入・荷ほどき
- 家電・電子機器の動作確認
- 近所への挨拶
- 管理人・管理事務所への挨拶
入居当日は、まず近隣に挨拶をし、入居作業で迷惑がかかることをお詫びしておきましょう。
次に、 引越し業者の指示出しと同時にライフラインの開通手続きをします。
電気と水道に関しては、入居と同時に使用できるようになっている物件がほとんどですが、ガスは、立会いのもとガス会社の人に開栓してもらう必要があります。
また、荷物の搬入が終わったら、まずはその日のうちに使う洗面用具や布団、カーテンなどの日用品をととのえ、家電や電子機器の動作確認を行うと良いでしょう。
【最後に】引越しで会社を休むなら木・金・月の3日がベスト!
今回は、賃貸の入居前に最低限やること、必要な手続きや準備期間について解説してきました。
項目別に見ていくとやることが多く、何日あれば終わるのだろうと途方にくれてしまう方もいることでしょう。
ですが、しっかり準備をした上で入居当日を迎えるのであれば、1日で入居作業を終えることは可能です。
ただし、初めての場合は1日では厳しいでしょう。
可能であれば木曜(当日)、金曜、月曜にお休みを取ることをオススメします。
木曜と金曜で予定通り終わらなかったこと、土日で改めて気づいたことなどを月曜に済ませることができます。
各種手続き、荷造りや荷ほどきは、想像以上に大変です。だからこそ、入居日が決まり次第、計画的に進めていくことが重要です。