EVO-C

ヴィトラがジャスパー・モリソンと協働で開発した「エヴォック」は、世界初のプラスチックのみによるキャンチレバーチェアです。最新の射出成形の技術を駆使することで、プラスチックのみを用い、スチールチューブに匹敵する強度と柔軟性を実現しました。荷重は、背もたれから座面、座面から脚部へと継ぎ目のない一体構造を伝い、中空のチューブ状の脚部によって支えられています。ジャスパー・モリソンの狙いは、余分なディティールを全て排除することでした。ひとつの素材で形成されるエヴォックのシルエットと外観はすっきりとシンプルで、製品としてのまとまりと完成度を感じさせます。誰も腰かけず、ただそこに在るときでさえも、まるで彫刻のように美しく、さりげなく空間に溶け込みます。人間工学に基づいた性能と共に、これまでのスチールチューブ製のキャンチレバー型チェアよりも視覚的な軽快さを兼ね備えています。バックレストの可動域はスチールチューブ製より柔軟です。座った時にシートとバックレストが傾きしなることで生まれる典型的なキャンチレバーの座り心地が、このエボックでは快適性と動きの自由度が格別に向上しています。ヴィトラでは、プラスチックを使用する際はリサイクル可能かどうかが前提条件になっています。さらにエヴォックは単一の素材のみで作られているため、異素材のパーツを分解する必要がなく、簡単にリサイクルが可能です。「ヴィトラとのデザイン開発の会議でひとつ提案をしてみました。プラスチック製の2本脚のキャンチレバーチェアを開発しませんかと。このアイデアは、椅子がどのように見えるかのスケッチをいくつか描いていた中で思いついたものでした。最初のスケッチから「EVO-C」が製品化されるまで5年の月日がかかりました。デザインが科学技術と製造技術に求めた革新性を考えると不思議なことではありません。進化したチェアの略でもあるエヴォックは、椅子のデザインの長い歴史の中で、最も魅力的で満足のいく進化の過程の先の一歩です。エヴォックは視覚的にも物理的にも何十年も使えるようにデザインされています。また、単一素材により分解する必要もなく簡単にリサイクルできます。」（ジャスパー・モリソン）

出典：https://flymee.jp/