賃貸の内見のポイントとは?失敗しないお部屋選びのコツ

進学・就職・結婚などのきっかけで賃貸物件を検討する方は多いでしょう。夢や希望がつまった新居で長く快適に暮らすために、物件選びで内見は欠かすことができません。

賃貸情報サイトで気になる物件をいくつか選んだら、不動産会社に依頼して必ず内見をしましょう。

ここでは、物件を探し始めるタイミングや物件を選ぶポイント、内見するときに気をつけたいことをまとめました。

物件探しで重要な内見とは?

賃貸物件を借りるときに必要不可欠な内見。実際に物件へ足を運び、様々なチェックをする大切なイベントです。

初めて行く物件、短時間の内見だからこそ、無駄なく抜けなく確認しておきたいところです。

これから始まる新生活をしっかりイメージしながら物件や周辺環境のチェックするためのポイントを知っておきましょう。

そもそも内見とは

内見とは「内部見学」の略です。賃貸情報サイトや不動産会社で物件情報を調べて、気になる物件があった時にすぐに契約するのではなく、実際に物件の見学を行います。

中には内見できない物件もありますが、ほとんどの不動産会社は内見の機会を設けてくれるケースが多いです。

例えば、まだ入居者がいて内見できない場合は類似の部屋(同じ建物の空室)を内見できたり、まだ建物が完成していない場合(新築物件など)は、ショールームを見せてもらえたり、工事中の物件を見せてもらえることもあります。

1日で内見可能な物件数

移動時間を含めて1件あたりの所要時間は1時間が目安です。内見可能時間を10〜18時と考えれば物理的に見て回れる物件数は6〜7件が限度でしょう。

しかし、内見する物件数が多いと後で思い返した時にどの部屋のことかがわからなくなったり、イメージが混同したりする可能性があります。

何より内見は想像以上に疲れるものです。正しい判断をするためにも欲張りすぎず多くても1日3〜4件程度までに抑えることをオススメします。

内見を行う最適なタイミング

物件探しは引っ越し予定日の2ヶ月前からスタート

入居希望の2ヶ月前頃から大まかなスケジュールを考え、ネットでの情報収集を開始します。1ヶ月から1ヶ月半前には不動産会社に訪問し、内見をスタートさせます。

契約には住民票や印鑑証明など公的な書類が必要となるため、取得にかかる時間も考慮しましょう。

入居日が半年以上先など、早すぎる物件探しは不動産会社から断られることが多くあります。

賃貸物件では空室が長くなると大家さんが損をするため、すぐに借りてくれる人が優先になります。気に入った部屋があったとしても「他の人には貸さず待っててほしい」というような予約はできません。

逆に探し始めるタイミングが遅すぎても「時間に余裕がなくじっくりと選ぶことができない」「審査に時間がかかって間に合わない」などの問題が発生するので注意しましょう。

一般的に、内見後は入居申し込み、入居審査、重要事項説明、賃貸借契約という流れで、審査に通過すれば2週間程度で入居日が決まり家賃が発生します。

なので、入居申し込みと同時期に引越し業者の選定も必要になります。

また、今住んでいる住居が賃貸物件だった場合の退去連絡も必要です。

退去の何日前までに連絡を入れないといけないかは、物件それぞれの契約内容によって異なります。

今住んでいる物件の賃貸借契約書を確認し、期限までに必ず大家さんまたは管理会社に連絡を入れましょう。

繁忙期は1~3月!6~8月の閑散期に物件探しをするメリット

進学・就職・転勤など人の移動が多くなる3月に向けて、1月頃から不動産会社は繁忙期となります。

多くの人が引っ越しする3月には、物件の需要も供給も必然的に多くなり、空きが出にくい優良物件もこの時期なら空きが出る可能性があります。

しかし、需要も供給も多い時期だから「早いもの勝ち」となり、気になる物件を見つけても、迷っている間に募集が終わるなんてことも少なくありません。

また、繁忙期になると不動産会社の内見予約が取りづらかったり、需要が高いため大家さんや管理会社が家賃交渉に応じない傾向にあります。

引越し業者の予約も早く埋まってしまうため、希望のスケジュールで進めるのは難しくなります。

6~8月は梅雨や真夏の暑い時期となり、引っ越しになかなか前向きな気持ちになれない人が多いと思います。

なので、不動産会社のスタッフに余裕があり、内見や相談の時間を長くとってもらえるなど、じっくりとお部屋探しができます。

また、この時期は引越し業者も閑散期のため、引越し費用を安く抑えたり、希望の日にトラックをおさえることも可能です。

早く空室を解消したい大家さんや管理会社に比較的家賃交渉がしやすい状況だと言えるので、時期にこだわりや制限がない場合は、引っ越し需要が少なくなる閑散期を狙うのもいいかもしれません。

内見にオススメな曜日や時間帯

物件に照明器具がついていないことを想定して、部屋の詳細までしっかりと確認するために17~18時頃(日の入前)までに終わらせるのがオススメです。

その物件に暮らす人や周辺環境によって、平日と休日、日中と夜で想像以上に騒音があったり雰囲気が変わったりすることも珍しくありません。

気に入った物件があれば、内見に行った曜日や時間帯とは別のタイミングで周辺を見にいくことも大切です。

内見当日の流れ

実際の内見当日の流れを知っておくことで、当日の所要時間や当日行うことを事前に把握できます。次は内見当日の流れを順番にご紹介します。

1. 予約した不動産会社で説明を受ける

内見当日は事前に予約した不動産会社を訪れ、内見する物件や類似の物件について説明を受けます。

この時、不動産会社によってはアンケートの回答を求められる場合があり、アンケートの回答をもとに、理想のお部屋の条件や周辺環境で新しく物件を紹介してくれます。

また、内見の集合場所が店舗ではなく、最寄り駅や現地になる場合もあります。どこに何時に着いておけばいいのか、事前に確認しておきましょう。

2. 実際に物件を見て回る

当日内見する物件が決まったら、担当者と一緒に内見する物件に向かいます。

距離が近ければ徒歩の場合もありますが、物件が駅から離れていたり、複数の物件を回る場合は車で案内してくれます。

移動の間はスーパーやコンビニ、ドラッグストアの有無や、人通り、車通り、街の雰囲気など、周辺環境を確かめながら向かいましょう。

内見する物件に到着したら、部屋の中に入って気になるポイントを確認していきます。

部屋や設備のサイズを計測したり、図面だけではわからないベランダや水回り、コンセントの位置などを確認します。

3. 不動産会社に戻り内見の結果を踏まえて相談する

全物件の内見が終わったら不動産会社に戻り、内見の結果を踏まえて改めて相談します。

内見したお部屋が気に入れば、その場で入居の申し込み手続きを進めることも可能ですが「もっと別の部屋を見てみたい」「良い物件がなかった」という場合は、今後の動きを相談します。

また、内見はとても時間と労力を使いますが、これから長く住む場所を決める大切な意思決定なので、少しでも悩んでいる場合は一度持ち帰って考えることをオススメします。

内見でチェックすべき7つのポイント

内見をするときは搬入や設備機能、暮らしなど様々な視点からチェックをしましょう。

引っ越しはお金も時間もかかる大変なことです。だからこそ、後で後悔しないように隅々までくまなく確認してください。

1日に何件見るかによっても変わりますが、内見は数10分から長くても1時間程度です。限られた時間で必ずおさえておきたい7つのポイントをご紹介します。

1. 日当たり

お部屋の明るさや日当たりは心身の健康にとても大切です。

一般的に南向きは日当たりが良く、北向きは暗いと思われがちですが、実は周囲の建物によって大きく変わります。

実際に内見した時の明るさと、近隣に大きな建物の建設予定の有無も確認しましょう。

2. 臭いや湿気

湿気が多い家は家具や衣服にもカビが生えるなど本当に大変です。見た目ではなかなかわからないからこそ注意深くチェックしてください。

部屋に入った瞬間の匂いにも注目してください。特にカビの臭いには要注意です。

また、湿気の大きな原因となる結露がないか、窓のサッシ周辺の木材にカビや変色がないか確認しましょう。不自然に塗り直されている場合もあるのでしっかり確認してください。

3. 広さと間取り

内見の時は家具一式がないため実際よりも広く感じます。

持っていきたい家具を置いても十分にスペースが確保できるか、寝る・起きる・料理や食事・お風呂・洗濯など、暮らしの一連の動きをイメージしながらチェックしてください。

4. 設備に不備はないか

まずは排水溝をチェックしましょう。

お風呂やトイレ、洗濯機の排水溝から風が出ている場合は配管から臭いが出てくる可能性が高いです。

水回りは蛇口のガタつきや水漏れの後はないか、窓・ドアなどもちゃんと動かして確認してください。不具合がある場合は、入居前に修理してもらえるかきちんと確認することが大切です。

5. 防音性・遮音性

木造や鉄骨造は壁の構造上ある程度の音は仕方なく、あらかじめ理解しておく必要があります。

また、鉄筋コンクリート造(RC造)は、必ず防音性が高いとは言えないのも頭に入れておきましょう。

「壁を叩いて判断する」とよく聞きますが、素人が壁を叩いてもよくわからないのが現実です。

壁に耳を当ててみて隣部屋の生活音がどのくらい聞こえるか、エレベーターが近い場合はその機械音なども確認してください。

また、窓を閉めた状態で周辺の音がどの程度聞こえてくるかも確認しましょう。

6. 携帯電話の電波状況

携帯電話の電波をはじめとするネット環境は暮らしに欠かせません。スマホの電波が十分に届いているかを確認しましょう。

また、マンションによってはネット環境が整っているところもあり、入居と同時に使える物件も多いですが、必要がなくても契約しないといけないという側面があります。

一方、回線を引く工事などすべて自分で手配しなければいけないというところもあるため、ネット環境がどうなっているかは事前に確認してください。

7. 周辺環境

ベランダは洗濯物を干せるスペースがあるか、備品があるかを確認します。

そして重要なのが防犯性です。2階以上の部屋でも、よじ登れるような構造になっていると危険です。

また、専用のゴミ置き場があり24時間ゴミを出せる物件もあれば、ゴミ置き場が荒れている、ゴミが放置されたままという場合もあります。

ゴミ置き場は管理が行き届いているか否かが一目でわかる判断材料になります。

エントランスは掲示板の内容をチェックすることでどんなトラブルが起こっているかを推測できます。

「騒音に近隣からクレームが来ている」「共用廊下に自転車などの私物を置かないで」など具体的な内容が書かれている場合は要注意です。

また、治安の良し悪しは現場で雰囲気を感じることが大切です。

物件周辺に荒れた建物はないか、生活道路に街灯があるか、人通りは多いかなどはチェックしておきましょう。夜にスーパーやコンビニ、通学・通勤ルートを歩いてみるのもオススメです。

内見の際に持って行くもの

内見に持って行くものは、以下の通りです。

  • カメラ(スマホでも可能)
  • 図面と筆記用具
  • 家具の採寸メモ
  • メジャー
  • 動きやすい服装(脱ぎやすい)

カメラ(スマホでも可能)

内見をする物件は積極的に写真を撮りましょう。

気になる場所や部屋全体がわかる写真のほか、内見の様子を動画で撮っておけば一通り記録できるので安心です。後から他の物件と比較するときに見返すことができます。

図面と筆記用具

図面は不動産会社が用意してくれます。

ですが、見取り図は位置がずれている・ドアがないなど、実際と違っているケースも少なくありません。

図面と異なる部分がないか、入念にチェックをしましょう。また、その物件の気になる部分やイメージ、周辺の雰囲気も書き込んでおけば、後で比較するときに参考にしやすいです。

家具の採寸メモ

新居へ持っていきたい家電の寸法(高さ、幅、奥行き)を測ってメモしておきましょう。

内見の時にその場で照らし合わせることで、搬入可能か、家具をどう設置できるか、設置後のスペースなどを確認することができます。

メジャー

正確な部屋の広さやカーテンの高さを測るためにもしっかりとしたものがあったほうが良いでしょう。

冷蔵庫や洗濯機といった大物家電の設置場所や各部屋の入口(間口)は、必ず計測してください。

特に玄関の幅・高さ・ドアの開き具合はしっかりと確認しておくことが大切です。

「ドアが90度開かない」「内鍵など少しの突起物で家具が搬入できない」なんてことにならないよう、細かくチェックしていきます。

動きやすい服装(脱ぎやすい靴)

内見は1日立ちっぱなしで、複数の物件を回る場合は移動も多くなります。

また、細かく部屋をチェックするために、かがんだり膝をついたり、体を動かすこともあるため、動きやすい服装を心がけましょう。

何度も脱ぎ履きすることに備え、ブーツなどは避けた方が無難です。

人の出入りがない物件は床にほこりなどの汚れが溜まりやすいので、内見時に履く用のスリッパを持参することもオススメします。

まとめ

今回は内見の概要や内見の際にチェックすべきポイントについてご紹介しました。

物件探し初心者や、進学・就職のために見知らぬ土地で物件探しをするなら、住みたいお部屋の基準を作ることからスタートしてください。

物件検索サイトやアプリの情報をたくさん見て、エリアや予算などを考慮しながら、自分の住みたいお部屋の基準をできるだけ細かくイメージします。

そうすることで、限られた期間でお部屋の選択がしやすくなります。

そして不動産会社の担当者には積極的にたくさん質問をしてください。

両隣・上下の住民の家族構成や仕事内容(生活音がする時間帯が自分と同じなら安心)、近隣のクレーム発生状況、前の住人がどれくらいの期間住んでいて何を理由に退去したのか、わからない場合もありますが聞いて損はありません。

内見の目的は、物件のメリット・デメリットをしっかりと把握することです。

優先順位を明確にするなど事前準備をしっかりとした上で、出来るだけたくさんの物件に内見に行って目を肥やし、冷静かつ慎重に選び抜いて、理想のお部屋選びを実現してください。

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